「さらば純情」を聴いた
椎名林檎さんの曲は聴いて直ぐにしっくりくるというよりは、聴くとまず違和感みたいなものが仕事してすっと入ってこないことも多い。
さらば純情もそんな曲だった。
ライブツアー景気の回復で聴いてからどこかに刺さってた。
歌詞がちゃんとつながってこないことも多くて、初めて聞いたときは「先生」って言葉が印象に残ってった。
曲を通して物語の中で主人公の回顧、独白しているような歌詞になっていますが、「先生」と問いかけるようなところが何度か頭にきていて、「僕」にとって特別な存在であることが伝わります。
とても気になる物語なので一週間くらいずっと歌詞を読み返して口ずさんだりしていました。
ポイントは「先生」と林檎さんの後半の歌い方とさらば”純情”というというところだと感じました。
”後悔”と”決意”歌であると思います。きっと。まとまらないなりに整理します。
1人を切に愛すること(なのかな)=”純情”に別れを告げて手放すことのできなかったもう一つの本心と一緒に生きるというある種、貪欲に生きることを決心しているのだと読みました。
人生の中でどこかで本心とは違う道に進むことになっても、善意はいつか汲みあえるし、尽くした結果が報われると信じて生きること、すなわち純情でいることは良いことだと思います。
でも、生きていく中で(大人になっていく中で)それらが疑わしく思えたり予定調和であることに気が付いてしまう瞬間があると思います。すべてうまくいくことばかりではないんです。
その時に、一つの道しか選ぶことが出来なかった人生の後悔があると思います。
しかし、この”僕”にはもう一つ抱き続けた本心がある。
人生を戻って本心に従う道を選ぶことはできないけど、心は自由でありそれを捨てることもしなくていいのだ。
この歌は純情を捨てて自由を手にした僕らはグレーに生きる宣言です。
抽象的に書きましたが、具体的には歌詞から、慕ってた”先生”と呼んでいる人がいて(もしくは別の慕いたかった誰か)、その人とは結ばれなかったけど先生の教えに従って純粋に一生懸命愛そうとしていた人がいた。
それでも、生活していく中でうまくいかないことやすれ違いがあったんだと思います。
しかし自らの幸せのために、その生活も続けたまま、ひそかに抱き続けた本心とも半分生きていく強さ貪欲さ美しさ。
心の中だけは誰にとっても自由。林檎さんがよく大切にしているテーマの一つのように感じています。
俗っぽく言うと、旦那や伴侶は別として心の中にずっと推しを抱いて生きていく。
でもそんなことは噯にも出さない、たしなみ。
美しくグレーに。
「(生)林檎博'24-景気の回復-」に参加してきた
今更ながら、2024年椎名林檎ライブツアー「景気の回復」の雑感を記したい。
さいたまアリーナで参加してきました。
端的に言うと最高でした。
今更ネタバレもないので言ってしまえば、DAOKOさん、ももさん、中嶋イッキュウさんがゲスト出演します。
構成がよくて最初のほうはしんみり林檎さん1人でTOKYO(好きな曲なんですが)聴きながら今回のツアーはこういうしんみりした回なのかな?て思って、それもまた善しみたいな気分になっていました。
聖者の行進になったとたん、景気が回復して、モリモリファン感謝祭でした。(後半ゲスト曲盛りだくさんでした。)
埼玉公演だったのでAIさんがゲストで聖者の行進がデュオだったので幕切感すごく効いていました。
今回林檎さんが動く動く。踊る踊る。
こんなにライブで動いてたっけ?って思うくらい。
常にエンタメ最高値更新してくるなあと。
かなり上階の席だったので、もっと近くで見たかったなあと。
もしくは埼玉以外の小さめの会場で拝見したかったと思いました。
個人的にはイッキュウさんとの自由へ道連れが本当に聞けて良かったです。
こんなのありなんだ!って思いました。
同時に願わくばのっちさんとの熱愛発覚中をどこかで聴きたいなと思いました。
望遠鏡の外の景色以外のインストもそろそろ聴きたいかもしれん。
オタクは我が儘です。
全然関係がありませんが、
ライブ行くまでは「ちりぬるを」と「余裕の凱旋」が大好きだったんですが、「さらば純情」が刺さって抜けなくなりました。
あと何回生で拝めるのだろうか。
いきなりサポートに回るので引退とか言いかねないのが怖いところです。
「さかなのこ」を観た
@AmazonPRIME

さかなクンの映画ですが、能年玲奈が主演ということでいつか見ようと思ってた映画です。
最初こそさかなクンを能年玲奈が演じている違和感があるんですが、途中から気にならなくなるどころか、能年玲奈演じるさかなくんがかっこよく見えてきます。
好きなことにひたむきでまっすぐ向かっていくことのかっこよさ。
男性のさかなクンを女性が演じていることが周りと少し違うことの表現になっていて成功している気がしました。(ちょっと語弊が生じるかもしれませんが。)
本当に毅然としているというか、表豹としていて、さかなクンがかっこよくて、それでいて酸い経験もあって思っていたよりも楽しめました。
作中のさかなクンのキャラクターに志村貴子「放浪息子」の二鳥くんを重ねました。
学園演劇の脚本を書き始めてクラスに監督として居場所ができた二鳥くんと魚に詳しくて色々な人に認められるさかなくんが性別の揺らぎみたいなものも相まって、見ている間にふと思いました。
テーマとしては「人と違っても堂々としてたら、周りの理解もあって」というよくあるものかもしれませんが、さかなくんの自伝としての面白さもあって良い映画だと思いました。


